感想文祭り 第6回(横浜市立中学2年生、鎌倉時代~江戸時代、122名参加)

概要

実施校・学年: 横浜市市立中学2年生
教科:     社会科歴史的分野
対象人物:   鎌倉~江戸時代
参加人数:   122名
表彰日:    令和5年10月25日
実施教師のコメント:

 夏の長期休業を有効に活用するために、二年生になって学習した鎌倉時代から江戸時代を歴史人物学習館を利用して振り返るようにしました。その中で最も心に残る人物を一人選び、夏休みの宿題として感想文に挑ませました。ネットを使用することでたいへん取り組みやすく、自らに照らして感想を書けた生徒が多くいました。

本居宣長

自分も宣長のように何か目標を持って生きて行きたい 中2男子

 宣長はたった二つの漢字を読み解くために何度も賀茂真淵に質問し、五年以上の歳月を費やしたようです。

 敷島の大和心を人問はば朝日に匂う山桜花

 僕はこの歌を聞いてとても感動しました。大和心の美しさを感じ、もっと知りたいと思わされました。
 僕は最初、宣長はとても頭がいい人としか思っていませんでした。しかし、調べてみるとこの疑問に人生をかけていたことがわかって自分も宣長のように何か目標を持って生きて行きたいと思いました。

徳川家康

家臣や世の中の人々の幸せをも願ったからこそ、何年も続く江戸幕府を開くことが成し遂げられた 中2女子

 豊臣秀吉が「自分は天下の宝というものの大半を集めた」と自慢話をした際に、徳川家康は「秘蔵の品はないですが、私のために命をかけてくれる部下が500騎ほどおり、それを一番の宝と思っております」とあるように、家臣をとても大切に思っていると言うことがわかります。
 徳川家康は自分の幸せだけではなく、家臣や世の中の人々の幸せをも願ったからこそ、何年も続く江戸幕府を開くことが成し遂げられたのではないかと思いました。
 私も勉強している中で、テストなど今すぐ結果が出ないことが多く不安になることが多いけれども、この話を学んで地道な努力、辛抱強さによって、いつか自分が求めていたものが手に入るという希望を持てました。

北条時宗

歴史を知ることで今について考えられることがある 中2男子

 自国より強いと思われる元からの脅しに屈せず、国のリーダーとして立ち向かっていった勇気と行動力には感激しました。本当に国や人々のことを想っていないとできないことだったと思います。
 僕は昔は歴史があまり好きではなく、今のように深く興味を持って調べたこともなかったけど、この歴史人物感想文祭りのおかげで歴史を少し知れた気がします。また、歴史を知ることで今について考えられることがあることに気付きました。今回の例だと、もし、時宗が元の要求をのんでいたら今、ここはモンゴルだったかもしれません。これからは「歴史は我が事」と考えていきたいと思います。

歌川広重

歌川広重のように熱中できることを見つけたい 中2女子

 歴史の授業で歌川広重を学んだ時、私は歌川広重の作品を見て衝撃を受けた。
 例えば「亀戸梅屋敷」。ゴッホが模写したとても有名な作品だ。手前にドーンと大きく木が描かれていて、奥には同じ梅の木が描かれている。そして、空のグラデーションや色も見入ってしまうほど綺麗。
 好きなことに熱中して、それを極め、ほとんどの人が一度は見たことがあるような有名な作品を何枚も何枚も残し、亡くなる直前まで創作活動に励んだ歌川広重の生き方は本当に尊敬するし、絵がものすごく好きでなければできないことだと思った。
 今回、歌川広重を調べて私は人生で熱中できることを見つけて、歌川広重のように好きなことを思いっきり楽しみ、好きなことや得意なことを聞かれて、自信をもって答えられるような、そんな人になりたいと思った。

二宮金次郎

たらいの水を押し続けた金次郎の一生 中2女子

 私は二宮金次郎の生き方に感動し、共感しました。特にたらいの水の話に感動しました。
 たらいの水を自分の方に引き寄せようとすると、水は向こうに逃げてしまう。相手にあげようと押すと自分に帰ってくる。
 金次郎の一生はまさにたらいの水を押し続けた一生だと思います。
 水を押し出していると、こちらに帰ってくるだけでなく、周囲の人々から水を注がれて、そのかさを増して行く。
 私も自分の利益ばかりを考えず、周りの人のことを考えられるような大人になりたいです。

青木昆陽

青木昆陽から学んだ「何事にも興味を持つこと」を実践したい 中2女子

まず最初に驚いたのは、青木昆陽のサツマイモ以外の功績です。古文や蘭学などの語学もできること、解体新書で有名な前野良沢の師匠であったことなどを知って、すごく驚きました。また、青木昆陽はいろいろな学問を学んでいたにもかかわらず、全てで功績を残しています。
 私は夢中になれるものを探すことが、苦手です。毎回手当たり次第、何かをやっても夢中になれるものはなかなかありません。もしもこれからそのことで悩んだら、今回青木昆陽から学んだ「何事にも興味を持つこと」を実践したいと思います。
 今回調べて、偉人の行き様から学ぶべきことはたくさんあるのだと気付きました。過去の出来事から学び、今と比べることが歴史の楽しさであり意義でもあると知ったことでこれからの授業が楽しくなりそうです。

加藤清正

清正の人間性にどんどん引き込まれていった 中2男子

「建築」の勉強をしている姉を見ていてふと思った。昔から建築家はいたと思うが、どんな人だろう?。そこで「戦国時代 建築家」を調べたところ、加藤清正が上がってきた。
 人物像を調べていくと、僕は清正の人間性にどんどん引き込まれていった。武勇な上に頭も良く、なにより一本スッと真っすぐな筋の通った強い心を持っている所が大好きになった。
 上の人を誠心誠意支え、また自分も上に立つ人間として常に下の人のことを考え、お手本となるように、心がけ行動していた清正は多くの人に慕われ、結果多勢の人を動かし、立派な城、町をつくり上げたのだと納得した。
 僕は二年生になり後輩ができ、時々先輩らしさとは?と考えることがあるが、清正の立ち居振る舞いを思い出し、先輩としての精神を磨いていきたいと思った。

林子平

林子平のように誰かのために行動できる人になりたい 中2男子

「志あれば必ず道あり」 これは林子平が自分の力が足りないと感じたときに言った言葉です。僕は林子平は、何て強い意志を持った立派な人なんだろうと驚きました。
けれど、苦労して作った本も幕府に没収されて罪人として捉えられてしまいます。悪いことをしている訳ではないのになんてひどい出来事だと悔しくなります。
 けれど、子平の考えはのちの世の人たちに受け入れられ、外国から侵略の脅威があったときに役に立ちました。子平の情熱は伝わったのです。
 このように林子平は日本を守るために一生懸命考え、行動しました。だから子平の思いは後世の力になったと思います。僕も林子平のように誰かのために行動できる人になりたいです。

伊能忠敬

一歩一歩やりたいことを着実にこなして行ったら、やがて大きな成果が出る 中2女子

 忠敬の言葉で印象に残ったものがあります。「いや、わしは51歳になったばかりだ」です。私は新しく物事を始める時に、「どうせ、もう遅い」とあきらめてしまいます。しかし、物事を始めるのに遅いなんてことはないし、やりたいと思えばいつからでもできるということを教わりました。大事なのは、いつから始めるかではなく、やりたいという好奇心を持つことだと思いました。
 最初は地球の正確な大きさを知りたいという好奇心から始まり、地図を作るという名目で始まった測量でしたが、その精密さが幕府に認められ、コツコツやっていたら日本地図を作るまでになったと知りました。一歩一歩やりたいことを着実にこなして行ったら、やがて大きな成果が出るということを学びました。
 私も忠敬を見習って小さなことでも努力し続けて、大きな目標を達成したいと思いました。

高杉晋作

晋作の生き方を知って自分の志を持ち、それに向けての諦めない心を大切にすることが大事だと学びました 中2男子

 晋作は投獄されていたとき、松陰が書いた手紙が支えになり、あきらめなかったそうです。その内容は、「人間は自分の掲げた志を成し遂げるため、生きるのである」という意味のものでした。
 晋作の名言に「すみなすものは心なりけり」=「世の中をつまらないと感じるかどうかは、自分の気持ち次第だ」という意味のものがあります。こう考えられるのは、晋作が松陰から教わった志のあり方から諦めない心を常に持ち、日本を正そうとしたからだと私は思いました。
 今回感想文を書くまでは、名前しか晋作のことを知っていませんでしたが、晋作の生き方を知って自分の志を持ち、それに向けての諦めない心を大切にすることが大事だと学びました。

雪舟

写し続けるという水墨画の修行を淡々と行った雪舟 中2女子

 なぜ雪舟を選んだかというと、私は漫画の模写を趣味としており、水墨画に打ち込んでいた雪舟はどんな人間なのかを知りたいと思ったからです。
 雪舟が生きていた当時の水墨画の練習と言えば、中国の風景画を映し続けることだけでした。私ならば、同じような作業をし続けることは大変で、途中で嫌になると思いましたが、雪舟は写し続けるという水墨画の修行を淡々と行いました。
 雪舟の水墨画に対する情熱や努力を知り、歴史に残る一人ひとりにもエピソードがあるのだと興味を持つこともできました。雪舟について調べ、私も絵を愛好するひとりとして、独自の世界観を広げていきたいと思いました。

今川義元

一日一日を尽くしていく努力の積み重ねが自分にとってのよい物になる 中2男子

 僕が今回今川義元について調べる前は正直あまり良い噂を知りませんでした。義元と言えば、桶狭間の戦いで負けたイメージが強く、バカ殿なる噂を聞いており、はっきり言って、自分もそう思っていました。
 ここで紹介したいのが、今川義元自らが詠んだ和歌です。
「昨日なし明日また知らぬ人はただ今日のうちこそ命なりけれ」
 意味は、昨日のことは戻らないし、明日のことは何も分からない。だから人というものは今日一日のために尽くす命が全てなのである、と。桶狭間の戦いまでに、織田軍には勝利しており、三河の領地を得ています。ただ負けたのではなく、天下に近かった男の一人だと皆さんに知ってもらいたいです。そして義元のように一日一日を尽くしていく努力の積み重ねが自分にとってのよい物になると学びました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA