明治天皇

明治天皇(めいじてんのう)1852(嘉永5)年 ~ 1912(明治45/大正元)年
江戸時代末期から明治時代、第122代天皇。父は孝明天皇、母は中山忠能(ただやす)の娘・慶子(よしこ)。京都で生誕。明治時代が始まる前年の1867(慶応3)年、孝明天皇の崩御により、16才(満14才)で践祚。同年、15代将軍徳川慶喜が大政奉還を奏上して7世紀近く続いた幕府政治が終焉すると、「王政復古の大号令」を発して新政府樹立を宣言された。1868(慶応4、明治元)年、「五箇条の御誓文」を発布して新政府の基本方針を表明、さらに明治と改元して「一世一元の制」を定め、江戸を東京と改称して東京に遷都された。1869(明治2)年に版籍奉還、1871(明治4)年に廃藩置県を断行、これにより懸案であった中央集権体制が確立された。1889(明治22)年に大日本帝国憲法を公布、翌年には帝国議会を開設して近代国家の基盤を築くとともに「教育勅語」を発して国民道徳の涵養に努められた。1894(明治27)年の日清戦争、1904(明治37)年の日露戦争に際しては開戦直前まで戦争回避に向けて尽力された。1912年(明治45)年、61才(満59才)で崩御。
古来、歌道は日本の伝統文化であり、歴代天皇も修業に努められたが、明治天皇が生涯に残された御製(ぎょせい)は93032首に及び[1日平均3.7首。日露戦争開始年は1日平均20首以上]、その時々の天皇の心情を偲ぶことができる。また新年の歌御会始(うたごかいはじめ)は、ありのままの国民の声を聞きたいという明治天皇のご意向により一般国民も参加できることとなった。毎年数万首にのぼる国民の詠進歌を天皇・皇后が一々ご覧になる慣行は現在に至るまで続いている。

①明治天皇の足跡をたどろう

『明治天皇』  勇志国際高等学校「日本史偉人伝」

日露戦争前、天皇は最後まで平和を願われ、交渉による解決を望まれました。そのお気持ちを詠まれた歌は、日本の国民のみならず、全世界の人々にも思いを寄せられたものでした。

『偉大なる君主「明治天皇」の生涯を振り返る!混乱期(幕末)の日本を列強国に導いた彼の生涯とは…?【前編】』 ゆっくり日本史の近現代史(29分) 

明治天皇の幼少期から「明治6年の政変」までの時期を解説。西郷隆盛とのやりとりなど、興味深いエピソードが多数紹介されています。

『偉大なる君主「明治天皇」!明治六年の政変・西南戦争・憲法制定・日清&日露戦争・崩御など…日本を近代国家に導いた彼の生涯を振り返る【後編】』  ゆっくり日本史の近現代史(36分)

「明治6年の政変」から崩御までを解説。日清戦争の際、天皇は「兵たちと苦楽を共にする」という信念を持ち、暖炉も使わず執務を続けます。天皇崩御の報は世界中に悲しみと衝撃を与え、多くの国々から追悼の言葉が届きました。

②明治天皇の言葉に触れよう

『明治天皇の名歌に隠された戦争への本当の想い』 日本志塾(14分)

日露戦争開戦時の明治天皇の苦悩、敵兵の死を悼む慈しみの心、和平への思いが当時の御製(天皇の和歌)や詔勅から伝わってきます。

『明治天皇の御聖徳』  明治神宮

明治天皇の御製(歌)や御宸翰(天皇の自筆文書)を紹介、解説しています。その言葉から国民への思いが伝わってきます。

『明治天皇の性格やお気持ちとは?巡幸、日清・日露戦争』  ゆかしき世界

「疼痛既に去れりや」 西南戦争の負傷兵の傷に触れて労わりの言葉をかけられると負傷兵は泣き崩れました。ドナルド・キーン著『明治天皇を語る』などから様々なエピソードを紹介しています。

③明治天皇の生き方から学ぼう

『明治天皇が自ら体現された「無私のまこと」』  中西輝政(京都大学名誉教授)

「『公』の心を忘れた腐敗や不正義は断じて許さず」という精神を父帝孝明天皇から受け継がれた明治天皇。「天に恥じない行ないをする」という道徳倫理や「日本人らしい心根を尊ぶことの大切さ」に目を向けられたのは、西郷隆盛の影響でした。明治の大事業や国家的危機の克服は、明治天皇の存在なしには考えられません。

『明治天皇の一面』  刀剣ワールド

明治天皇の趣味、日常生活、思想、御製などを紹介。日頃から質素倹約に努められたのは、単なる金銭的理由によるものではありませんでした。天皇崩御の際の各国の報道、追悼の言葉から、明治天皇に対する世界の評価がいかに高いものであったかが伝わってきます。

さらに学ぼう

『ご逸話であおぐ明治天皇さま、昭憲皇太后さま』  明治神宮

明治天皇と昭憲皇太后を御祭神とする明治神宮のHPです。西郷隆盛、副島種臣、木戸孝允、岩倉具視ら近臣と、明治天皇の間の心に染みるような逸話を紹介しています。酒と馬を愛された逸話も印象的です。

『明治神宮ミュージアム』  明治神宮

明治神宮の御祭神である明治天皇、昭憲皇太后ゆかりの品々を展示しています。

『文化の日と明治天皇との関係【今さら聞けないおとなの教養】』 人生を変える歴史と古典の教室「新倉塾」(12分)

11月3日、文化の日は明治天皇と深い関わりがあります。日清、日露戦争時の明治天皇のエピソードなども紹介しています。

京都府  天皇  江戸時代・明治時代  KY

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