本居宣長

江戸時代中期の国学者。伊勢国(三重県)松坂の木綿問屋に生まれたが、母は読書や和歌を好む宣長に医者になることを勧め、23歳で京都に遊学した。
ここで医学と共に儒学、国学を学び、特に国学者・契沖の著作に触れて日本古典に強く惹かれる。
28歳で帰郷すると、医者を開業するかたわら、『源氏物語』などの研究、講義に励んだ。
34歳の時、松坂を訪れた賀茂真淵に面会して教えを受け、以後も文通を続けて指導を仰いだ。
この出会いは宣長の学問に決定的な影響を与えた。
以後宣長は『古事記』の研究を終生の大業と定め、35年をかけて全44巻に及ぶ注釈書『古事記伝』を完成した。
漢字の音読みと訓読みを駆使する「万葉仮名」で記述された『古事記』はそれまで読むことも困難であったが、宣長の実証的研究により、現在の「漢字仮名まじり文」として読むことができるようになった。
宣長の『古事記』研究は、読み方や解釈だけにとどまらず、古代日本人の精神への回帰をめざしており、「漢心(からごころ=中国風の概念的思考)」を捨て、「大和心(やまとごころ=日本人が古来持っている素直に感じる心)」に立ち返るべきであると説いた。
また江戸時代、道徳的ではないとして批判されていた『源氏物語』について、「もののあわれ(繊細な情趣、人の心の機微)」を描いた優れた文学作品であるとして高く評価した。
宣長の学問の成果は江戸時代国学の頂点と言え、門人は全国に広がって後世大きな影響を残した。享年71歳。

①本居宣長の足跡をたどろう

『現場に聞こう 本居宣長をまなぶ』  チャンネル三重県(7分)

本居宣長は「日本人の本来の心とは、山桜を見て美しいと思う素直な心です」という歌を詠んでいます。世界に目を向けながらも、日本の美しい心を大切にしていた人でした。

『松阪歴史探訪 本居宣長編 御厨神社と宣長』 松阪市行政チャンネル(10分)

本居宣長は、古事記の言葉を丹念に読むことで、外来文化の影響を受ける前の日本人の心を探っていきます。そして宣長は完成した『古事記伝』をどうしたでしょうか。

松阪歴史探訪 本居宣長編』  松阪市行政チャンネル

第1話「松阪が育てた宣長」(16分)                                                                                                                                                     第2話「松坂の一夜」(13分)                                                                                                                                                                     第3話「宣長スタイルの確立」(14分)

赤穂浪士討ち入りの講話を聴いていた15才の宣長少年は、大人から「早く家に帰れ」と言われますが、このあと驚くべきことが起きます。                                                            

      

②本居宣長の言葉に触れよう

『学びの巨人・本居宣長を知る1「もののあはれ」とは何か』 歴史チャンネル

江戸時代、全く評価されなかった『源氏物語』。しかし宣長は「もののあわれ」を描いた物語であると主張し、高く評価しました。「もののあわれ」とはどういうことなのでしょうか。

③本居宣長の生き方から学ぼう

『小林秀雄 講演 ソクラテスと宣長』 N GO(10分)

大作『本居宣長』を著した文芸評論の泰斗小林秀雄。氏は「宣長も文字を軽蔑していたんです。ソクラテスと同じです」と語っています。これはどういうことでしょうか。

『桜の花と「やまと心」』  国際派日本人養成講座

本居宣長は、中国風の「漢心(からごころ)」という嘘いつわりを捨て、日本人が古来大切にしてきた「やまと心」、素直な真心そのままに生きようと説きました。

『学びの巨人・本居宣長を知る2 「松阪の一夜」生涯で1度しか会っていない師匠』歴史チャンネル

宣長は一度だけ会った賀茂真淵を師と仰ぎ、その人との約束を35年かけて果たしました。

『学びの巨人・本居宣長を知る3 盲目の息子・本居春庭を突き動かしたもの』  歴史チャンネル

医者でありながら息子の病を治せなかった宣長は、盲目になった息子を励まし続けます。

さらに学ぼう

『本居宣長記念館』館長の吉田悦之さん』  ゲンキ3ネット

(宣長の言葉で)一番感動したのが『学問は継続が大事、才能ではない』という言葉。この言葉のおかげで、今まで頑張ってこられました。

本居宣長記念館

本居宣長の遺品や居宅などを紹介しています。宣長が使用した『古事記』や『万葉集』には几帳面な小さな字でおびただしい書き込みがあります。

三重,江戸,学者,KY

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